外観ではわからない太陽電池の不具合を特殊な測定器で検出
太陽光発電システムは、太陽電池やパワーコンディショナー、接続箱等およびそれらをつなぐ配線や配線器具等によって構成されています。
パワーコンディショナー等の電気機器や配線不具合は漏電検査と目視点検・触診等で、太陽電池等を固定する架台等の金具類の劣化は目視点検・触診等でその多くを見つけることが可能です。
太陽電池は当初『メンテナンスフリー』として普及を図ってきましたが、長期間屋外にあるという環境から外観では判別のつかない内部劣化が進行し、発電量が著しく低下したり、火災の原因にもなり得ることがその後の研究により判明してきました。
太陽電池は、表面のガラス割れのような外観で判別できる不良以外に、外観ではなんら問題ないと思われる状態であっても内部(内部配線の半田付けや内部部品)が劣化していることがあるのです。
内部劣化がある状態で発電を長期間継続すると、劣化箇所が局所的に発熱したり、発電量が低下することがあります。内部劣化を検出するためには太陽電池に特化した測定器を使用する必要があります。
サンハーツでは、目視や触診に加え、太陽電池専用の特殊な測定器を駆使して、太陽電池の内部劣化を検出します。
検出方法 (測定器又は測定方法) | 太陽電池の内部劣化に 起因する不具合 | 放置すると起きる 可能性のある障害 | |
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ドローン+サーモカメラ 又はサーモカメラ(手持ち) | 異常発熱 局所発熱(ホットスポット) | 発電量の低下 太陽電池の発熱・発火 | |
バイパス回路検査装置 | バイパス回路故障※1 | 発電量の低下 太陽電池の発熱・発火 | |
インタコネクタ抵抗測定装置 | 内部配線の抵抗値の 増加・断線※2 | 発電量の低下 太陽電池の発熱・発火 | |
開放電圧測定+ ブリーダ抵抗を用いた 開放電圧測定 発電電流測定 | 発電低下 | 発電量の低下 | |
太陽電池専用絶縁抵抗計 漏れ電流測定 | 漏電 | 火災・感電 | |
I-V特性測定装置 | モジュール性能の低下 その他故障 | 発電量の低下 その他故障 | |
配線経路探査器 漏れ電流測定 | 故障個所の特定 配線経路不明※3 | ー |
※1 バイパス回路とは、太陽電池内部で局所発熱等を回避する安全装置に相当するものです。
バイパス回路゙が故障すると、発電量低下や局所発熱を発生させ、放置すると発火に至ることがあります。
落雷等により、バイパス回路だけが故障する場合があります。
※2 内部配線とは、太陽電池モジュール内に組み込まれている太陽電池セルを接続する配線をいいます。
太陽電池モジュール内部には出力や種類により48枚、60枚、72枚程度の太陽電池セルが組み込まれています。
※3 上記測定器類で検出された不具合の太陽電池モジュールを含むストリング(数枚~20枚程度の太陽電池モジュール)から、不具合の太陽電池モジュールを特定します。
また、設置工事時に直流回路配線図・系統図等が作成されておらず、管理ができない場合に配線経路の特定を行い、配線図または系統図を作成します。